2011年10月08日

坂本龍一さんの自叙伝「音楽は自由にする」

坂本龍一さんの自叙伝「音楽は自由にする」を読み終わった。
「音楽は自由にする」ってタイトルが気になったので手に取ってみた。

本書には坂本龍一の幼少期から現在(2009年)までの人生が時系列に沿って淡々と書かれている。

本人も書いておられるのだが「僕の人生は行きがかり上、そうなった事ばかりなんです」・・・ですと。

読了後の感想は「この人、人生順風満帆、トントン拍子、挫折知らずじゃねーか!羨ましすぎるぜぇ」ってな具合である。交遊関係も華やかでとても素敵な人生を送られているんだなぁと関心してしまう。。きっと音楽に関しては随分勉強されているはずだし、ご苦労もあっただろうと想像するが、余りそういう苦労話に関しては語られていない。いや語られてはいるがサラッとしていて印象が薄い。私の嫉妬のせいだろうか?それとも演歌的発想がお嫌いであろう坂本さんがあえて語らなかったのか?
「音楽(芸術)にはパッションが何より大切だろーが!」と信じてしまっている自称岡本太郎支持派には少々ショックな内容である。

しかしながら、音楽(音符の並び)に関する探究心は半端無いので、実験音楽や音楽の歴史なんかに興味ある方にとっては良きディスクガイドになるのではないだろうか。

好奇心旺盛なアンドロイドであるような印象を本書からは感じるのだが、そんな坂本氏が作る音符の並びに心揺さぶられたりしてしまうのだから音楽は不思議だ。
私はYMOのアルバム「テクノデリック」最後に収録されているEpilogueがめっちゃ好きだ。なんて美しいんだろう!


しっかし私が恐ろし過ぎて読み切る事が出来なかった島尾敏雄の本を、女の子を誘う際の口実に使うだなんて信じられん・・・「女の子はこういうちょっと難しくて暗い話が好きだったりするんですよ」さすがアンドロイド教授!オシャレだ。


音楽は自由にする
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posted by ito at 15:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書日記

2011年10月07日

トモダチの事

かつて友人だった人の事を思い出す。
もう10年以上前になるだろうか。

友人の紹介で、2人きりで会う事になったのが確か最初の出会いだったと記憶している。彼は写真を撮っていて、良い写真を撮る事に夢中だった。僕の作った曲を気に入ってくれていて、僕らは出会ってすぐに意気投合した。

元々とても繊細な心の持ち主である彼は、僕にシンパシーを感じてくれたのか非常にオープンな態度で接してくれた。当時僕は他人との付き合いが苦手で、どこか壁を作っていたところがあったのでオープンな付き合いはほとんど皆無だった。彼のビックリするくらい打ち解けた態度が新鮮でとても嬉しかった。

と同時にどこか不安でもあったのだ。

彼は僕の事をとても好意的に思ってくれている。勿論僕の方も彼の写真がとても好きだし、彼の人柄も好きだ。でも、まだ僕は彼の事を良く知らないし、彼の方も僕の事を良く知らないはずだ。そういった気持ちがチラチラしていた。

それでも僕達はしょっちゅう遊ぶようになった。
彼は自分の好きなものについて、本当に楽しそうに話した。僕もそれを聞くのが好きだった。

彼は僕がギターを弾いてるのを聴くのが好きだと言ってくれた。めちゃくちゃ嬉しかった。

ある日、彼が大好きだと言う音楽を一緒に聴いた。
彼は熱意を持ってその曲が如何に素晴らしいかを話してくれる。とっても素直で真っ直ぐな彼の話し方が心地よかった。本当にこの曲が好きなんだってことが伝わってくる。

そのとき一緒に聴いたのがRadioheadのNo Surprises



彼とは、ある事がきっかけで拗れてしまって決別する事になっちゃったけれど今でもこの曲を聴くと彼の事を思い出す。

拗れた原因は僕のせい。当時、僕は非公開実験室という即興ノイズユニットを組んでいて、それに無理矢理彼を引き込んでしまった。決めごと無し、感情だけでノイズを掻き鳴らすバンドだったので、僕は軽い気持ちで彼を誘った。
僕は彼の感性が好きだったし、ステージで彼がギターを弾くだけで面白いんじゃないかと思っていた。スタジオリハーサルの時「どうせ決め事なんてないんだし、好きにやってくれたら良いよ」とだけ伝えた。けれど彼は何も弾かなかった。今考えると、好きにやれって言われてるんだから弾かなくても良かったのかも知れない。けれど僕はその態度に苛立ちをみせてしまった。

たった一度だけ。。それっきり呆気なく友達関係は終わっちゃった。

未だに自分の事はよく分からないけれど、決して穏やかな人間ではないと思っている。なるべく他人を傷つけたくはないとは思っているが、まだまだ出来そうにない。まったく他人を傷つける事がなくなったら僕も仏様になれるかな。

彼との交流は短い期間だったけれど僕にとって大切な経験だった。
だから何度も思い出す。。

決別後、彼とは2度会っている。
1度目は友人達が主催するギャラリーでの音楽と写真のイベントに行った時だ。
写真を展示していた彼は当然そこにいて、出会った瞬間「何しに来た?」みたいな感じで敵意剥き出し。僕はビックリして何も言えなかったのだけれども。。僕は相当彼を傷つけたんだなぁと改めて感じた。
2度目は3年程前、僕がギターを担当しているバンドのライブだった。うちのヴォーカルの友人である彼がライブを観に来てくれたのだ。言葉は交わさなかったけれど、人伝に僕の曲を褒めてくれたのを聞いた時は本当に嬉しかった。

人との関係って不思議なものだなぁと感じている。
神経質なくせに妙に楽観的なところのある僕は、こんな関係も悪くないな、なんて感じているが、ひょっとするとまだ酷く恨まれているのかも知れない。
posted by ito at 17:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽日記

2011年09月30日

「父さんへの手紙」早川義夫

歌は歌のないところから聴こえてくる

僕にとっての、この一曲

聴く度に不思議と涙が溢れます。


20代の頃、早川義夫さんのライブには何度も足を運びました。
早川さんの著書「ラブゼネレーション」はバイブルでした。
いつも独りで座って耳を傾けるのが好きでした。

とても恥ずかしそうに、でも正直に音楽を紡ぎだす早川さんは真のパンクロッカーだと思います。




- 早川義夫さんについて -
私が早川さんの音楽を知ったのは確か、NHK音楽番組での演奏した。
ちょうど早川さんがソロとして音楽の世界に戻ってこられた時だと記憶しています。
ピアノの弾き語りをするその指先は震え、緊張感はブラウン管を通して伝わってきました。それでも震える声は力強く、私は画面に釘付けになりました。その演奏に感銘を受けて以来、早川さんのファンです。

グループサウンズ全盛期60年代後半、早川さんは「ジャックス」のメンバーとして活動。
そのあまりに陰鬱でサイケデリックなサウンドは当時の日本では受け入れられなかったそうです。痙攣したようなファズギターにドロドロのサウンド、心の闇を吐き出すようなヴォーカル、90年代になって初めてジャックスの1stアルバムを聴いた時、稲妻に撃たれたような感覚を覚えたのが忘れられない。「こんなにカッコいいバンドが日本に存在したんだ!」当時、ドアーズ、イギーポップなんかを愛聴していた私は直ぐにジャックスの虜になったのでした。

バンド解散後、若くして早川さんは本屋さんに転身され、その後長い間、音楽活動を一切していなかったそうです。「歌は歌のないところから聴こえてくる」早川さんはきっと本屋をされている間もずっと音楽を紡いでおられたのだと思えるのです。。

私はジャックス時代の早川さんも好きですが、ソロになってから現在の、剥き出しな感じの歌が好きです。飾りの無い分、時に痛々しくも思えるけれど、それでもとても好きなのです。

ディス イズ パンク!!!!

ほんまカッコええなぁ◎

歌は歌のないところから聴こえてくる
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追記:
ファンだとか、現在の早川さんが好きだとか言っておいて、お恥ずかしいのですが、そういえば近年の情報を知らんなぁと思い検索してみたところ、精力的にライブされているんですね。
京都に来られるみたいなので行ってみようかしらん。

早川さんのホームページはこちら

新しい著書『いやらしさは美しさ』も出版されているみたいなので是非読んでみたいと思います。

いやらしさは美しさ
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posted by ito at 17:36| Comment(0) | 音楽日記